想続だより

ごあいさつ

最近では離婚、再婚している方は珍しくありませんが、そのためにご相談に来られる方が多くいらしゃいます。例えば自分の夫が再婚で前妻との間にも子Aが居る場合、妻と子Aと子Bが相続人となります。しかし妻・子Bは前妻との間の子Aとは面識がないことが通常です。 先日も「前妻との間にも子供が居ることは聞いていたが、会ったこともない人が相続人になるのでどうしたらいいか」というご相談がありました。

家族構成

相続手続きで、まず最初にやらなければいけないのは亡くなった方の戸籍収集です。生まれてから亡くなるまでの戸籍を収集して相続人を確定していきます。その中で実は再婚だったとか養子縁組していたとか認知している子供がいたなどということは意外に多くあります。そういった場合、会った事のない相続人をはずして相続手続きを進めることは出来ません。 (公正証書遺言があれば別ですが)

会ったこともない相続人にどのようにして連絡を取るかはとても悩みます。いきなり電話するのも難しいですし、会いに行くのはなおさらです。たいていの場合は手紙を送りますが、相手の暮らしぶりや今までの生活状況も分からないのでその文案にも頭を悩まします。ひとつ間違いなく言えるのは、いきなり遺産分割協議の法的な話や書類に実印を押して印鑑証明書を送って欲しいなどの事務的な対応だけは絶対にいけません。顔の見えない相手だからこそ誠意ある対応をしなければいけません。

私の場合

  •  ①亡くなった被相続人がどのような仕事をしていたか、晩年の暮らしはどうだったか
  •  ②いつどのようなことが原因で亡くなったか
  •  ③戒名はなんと言う名でどういう意味があるか
  •  ④お墓や御位牌はどこにあるか、亡くなった方の人柄など
そして最後に
  •  ⑤相手を思いやる言葉 (幼少期に親と別れて辛い思いをさせてしまったのではないかなど)
を記します。
そのうえで一度ご連絡を取りたいと一筆添えて連絡を待ちます。 この手紙は新しい人とのお付き合いが始まるご縁となるか、争族を引き起こすプロローグとなってしまうかの分かれ道となる大切な手紙です。よくよく考えて心を込めて書かなければいけません。
もし、お心当たりがある方は、そういったご相談もしておりますのでお気軽にお声掛けください。

お客さまの声

今回は当センターに寄せられました、皆様からの生の声をご紹介させていただきます。


お客様の声

<東京都/Sさん>

突然に主人を亡くし、呆然としている時、親友の紹介で支援センターのことを知りました。わらをもつかむ思いでお願いしました。遠方にもかかわらず何度も足を運んで下さり、不慣れな事務処理をてきぱきと進めていただきました。精神的な面でも暖かい支えをして頂いて心強いかぎりです。本当に心から感謝しています。今後ともよろしくお願いいたします。

相談員のつぶやき

【会ったことのない相続人】

相談者Aさんの父Bさんが亡くなられました。Bさんには前妻と前妻との子もいたようですが、どこに住んでいるのかも分からず、その人から印鑑をもらう必要があるのか等を教えて欲しい。というご相談でした。
まずは戸籍と附票を取寄せ、相続人の確定を行いました。結果、前妻との間には子Cが1人、北海道にいることが分かりました。次に、どのように連絡をとるべきか検討を重ねました。Cさんとは全く面識のないAさんとAさんのお母さんは、前妻とその子Cに対して悪いイメージしか抱けないご様子で、出来れば自分たちは直接連絡を取りたくないとおっしゃいます・・・
が、ここはなんとかAさんと話し合いの結果、Aさんが前妻と連絡をとることになりました。そしてAさん側から北海道へ会いに行き、遺産分割協議書へ署名・捺印と印鑑証明書を受け取りに行くことになりました。遺産分割協議書は、自宅の不動産などこちら側が遺産を取得する代償としてCさんに250万円を支払う内容にしていました。

そして・・・
北海道から帰ってきたAさん。大変すっきりした表情で当社にこられ、開口一番『Cさんに会いに行って良かった!』と話されました。Cさんは、父Bは自分が幼少期の時に亡くなったと聞かされていたので、生きていたことに驚き、異父兄弟であるAさんが、わざわざ海を越えて北海道まで着てくれたことに恐縮し、道内の観光案内をしてくれ、帰り際にお土産と往復の旅費まで渡してきたとのこと・・・Aさんは父BにそっくりだったCさんの横顔が忘れられない、会ってよかった!と何度も話されました。
北海道へ行く前のAさんは『現在の遺産はBさんと前妻が離婚をし、Aさんの母とBさんで形成した財産。本当はビタ一文も渡したくない』と話していたのですが、直接会ったことが結果的には功を奏し、滞りなく協議を終えることができたので本当に良かったと思います。
最近では、会ったことのない相続人の方とお手紙のやり取りだけで協議を終える手続が続いていましたが、相手の状況が全く分からない場合、どのような手段で連絡を取り始めればよいかの判断は大変難しいです。このように円満な結果で終わることが出来るよう、様々なケースの情報を蓄積し、活用していきたいと思います。

お知らせ

綾瀬市より講師の依頼を受けました

 「知っておきたい相続の知識」 ~相続争いにならないために~

綾瀬市の「平成24年度教養セミナー」にて、当センターの中田が講師を務めることになりました。
今後の生活に役立つ、相続の基礎知識や事前対策について、わかりやすく解説いたします。
ご参加希望の方は下記お問い合わせ先よりご連絡ください。

 【日 時】
11/7(水), 11/14(水), 11/28(水), 12/5(水)
 【時 間】
各回 13:30~15:30
 【場 所】
綾瀬市深谷中5-16-43 綾瀬市立中央公民館・中村地区センター講堂

※各回定員は25名程度を予定しております。
※対象: 綾瀬市内在住・在勤で16歳以上の方
※お申込みは先着順となっておりますので既に満席となっている場合もございます。ご了承下さい。

お問い合わせ先:中村地区センター 0467(78)2760
先着順となりますのでお早めにお申込みください